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巣ごもり
2009年04月05日 (日) | 編集 |
お時間さかのぼりまして、帰国直後の隊長のお話です。





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『 巣ごもり 』







22:28

何気なく時計を見た。
すかさず嶋本が心配そうに声をかけてくる。
「お疲れと違いますか?」
グラウンドから直行して飲み会になだれ込んだ。
勤務を終えてから駆けつけたんだろう、懐かしい顔が後から後から現れた。
「嶺、送るんやろ?」
嶋本の声に高嶺がこちらを伺って立ち上がる。
「あとのヤツを待つことはないぞ? また顔を合わせる連中ばかりだ。明日はゆっくり休んでくれ」
佐藤専門官の声に送られて店を出た。


「いきなり冬で、寒くありませんか?」
「空気が冷たくて気持ちがいい ……飲まなかったのか?」
「車ですからね」


こんなことか? 話したかったのは
送る?
帰る? 
一年前と、何も変わってはいないんだろうか?


「隊長、お荷物は?」
「ん? ああ、グラウンドに直行しろと言われたので送った」
「ご自宅に?」
「いや、基地宛に」
「そうですか」


無言
高嶺は相変わらず無口だ
ただ靴音を聞きながら、並んで歩く。


車に乗り込んでから、高嶺は静かに俺に尋ねた。
「うちに、来て下さいますか?」

ハンドルに乗せられた手
吸い寄せられるように額を当てた。
一年振りに触れる体温に
眼を閉じる。
「インドネシアでは年上の人にこうして挨拶するんだ」
本当はこんな形ではないけれど

「お帰りなさい」
高嶺の指が髪に触れた。



◇◇◇◇◇



一年前、ここに戻ることはあるのかと考えた。

こうして再び訪れ
勧められるままに茶を飲み
当たり前のように風呂に入り
それでもどこか心許ない。

高嶺は風呂を使った後もまだ台所にいる。
ソファに座り
ぼんやりと聞いている。

何かをトントン刻む音や
パチパチと油の弾ける音

人がいる部屋とはいいものだ
そう考えていると急に静かになって
高嶺がこちらにやってきた。

「明日のあなたの為に、作っておきたい物もあったんですが」
ふ、と見上げる

「どうやら駄目そうです」
一度見たら、眼が離せなくなった

「嶺……」

高嶺に触れたい
そう思った時
伸びてきた腕に掬い上げられるように抱き締められ
ようやく自分が一番欲しかったものを理解した。



◇◇◇◇◇



逞しい腕や
広い背中
何度も思い描いていたはずなのに
今この手で触れているのは
それよりもしなやかで、強く、熱い肌だった。

眠っていた感覚の扉は次々と開かれ
一人では決して到達できなかった高みにまで簡単に持ち上げられる。
一度
二度
堪え切れずに達した。

指が内部を擦り上げ
腿までがびくびくと痙攣の連鎖を起こす。
波に飲み込まれる感覚から逃れたくて身を捩ると
宥めるように高嶺が頬に触れてくる
腕の中に抱き込まれて
ゆっくりと深く呼吸をした。

身体をすり寄せて
手を下に滑らせる
「ダメです、もう少し慣らさなくては」
やんわりと押さえ込まれたが
触れたものは硬く、驚くほど熱い。

そんな俺の余裕をとがめるように、高嶺の指はすぐに潜り込んでくる
その蠢きに
身体のそれぞれの部分が呼応して
簡単に追い上げられていく。

お前は
まだなのか?

「嶺…… 嶺…」

待てない
早く
その先をせがむ

ようやく膝を高く掬われ
押し当てられたものに覚悟する。
高嶺を受け入れながら
頭の中が白い光で埋め尽くされていった

待ってくれる身体を
足を絡め、より深くに導く
穿たれたままのものが育つ
背を抱いた手のひらが感じ取る高嶺の脈動。
胸の中で何かが堰を切ったように
ずっとずっと離れずにいたかった。



◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇



眼を開くと
あれほど強く抱き締めていたぬくもりは、なくなっていた。
ひとりのベッド

それでも身体を動かすと確かな感覚が残っている。

サイドテーブルにはタオルとミネラルウォーター
起き抜けに冷たい水をがぶ飲みするものではありませんよ
高嶺の言葉を思い出しながら一口、二口と物足りない冷たさの水を含む。

キッチンのテーブルに手紙
あわてていたのか、少し乱れた字で色々と書いてある。

荷物は自分が取ってくる旨

食事のこと

そしてなるべく早く帰るから、と

高嶺らしくない
最も重要な確認事項が抜けているぞ

俺は今日一日をこの部屋で過ごすことになっているらしい

可笑しかった。
浴室の鏡の中
ぼさぼさの髪、腫れぼったいまぶた
腑抜けた、それでもなんとなく嬉しそうな顔がこちらを見ていた


温めるだけの食事を済ませ
新聞を手にして、改めて日本に帰ってきたことを実感する。
のろのろと読み、疲れると放り出した。

ラグの上で、ただ手足を伸ばして
窓から差し込む陽射しがぬくぬくと
やわらかく眠気を誘う。


ふいにガラスをたたく風が
冬という季節を思い出させた。
「こんなところで寝たら風邪をひきますよ」
高嶺ならそう言うだろう
引きはがすように身体を起こす。

静かな部屋の中
ぼんやりと座って
それでも眠気は去らない

扉を開けたままの
寝室の誘惑が脳裏をかすめる
ずれた角を揃えて新聞を畳み、俺は立ち上がった。

ぼふん

ベッドにダイブ
乱れたままの布団を抱え込む。

ここでなら寝てしまっても構わないだろうか
だらけている俺を見ると高嶺はいつだって嬉しそうに笑う。
「仕方がないですね」
きっとそう言って
今日も笑うんだろう

不思議なヤツだと思う。
トッキューにいて、最もトッキューらしくない男
インドネシアに行く前の出来事が
ぼんやりと影のように浮かんでは消えた。

世話を焼かれ、立ち止まることを教わり
俺はこの家で新しいことをたくさん覚えた。
それは本当に小さな、レスキューには何の関係もないことのように思えたが
俺の中の何かを変えたらしい……



身体を移動させて高嶺の枕に顔を埋める
それから布団を引き寄せてくるまった。
大きな手が起こしてくれるまで……
そう思って俺は眼を閉じた。








2007/07/15
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こうして眠り姫(ぷ)は王子様(ぶふっ)に優しく起こされるのでした。
ただしちうではなく「ご飯ができましたよ」の声でv
コミクスを読み返していて、帰国直後の甚のことが書きたくなりました。
はっきりとまとまらない心情を散文的なカンジで……
えちが書けないのは不肖ワタクシの不治の病みたいなモンです(死)
ゴメンナサイ←とりあえず謝ってみましたー!




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