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《浪音》 弐
2011年01月01日 (土) | 編集 |
大人表現あります。
対象外の方、お引き返し下さいませm(_ _;)m




元親はその身体を容易く脚の間に移し抱え込む。
それなりに上背もある自分を軽々と扱うこの人は、やはり大きい男なのだなと改めて知らされた。
「なあ……忍は…こんな時に何を考えてる?」
触れさせたままに話す唇がかさついて こそばゆさに身動ぐと、それを抗う素振りと取ったのか 逃すまいともう一度深く唇を重ねてくる。
常に泰然たる構えを見せる元親のらしからぬ急いた様が、まるで色事に不慣れな若者のようにも思え好ましささえ感じる。
逃げぬ証 と迷わずに応え、口腔の生き物を絡めとった。
口吸いなどするのもされるのも御免こうむりたいと思っているのは本当で、そう教わってきたし、この手段を持って人を殺めたこともあるならば それは自明の理。
それでも今、こうして己に執着を見せる憎からぬ相手を拒んでしまおうとは思えなかった。
「……あなた様のことにございま…」
元親の問いに答えようとしても、離れていることを惜しんでか言葉の終わりを待たずに唇が重ねられる。
「長宗我部 様……」
「嘘つけ」
「…嘘では、ございません」
才蔵の手が元親の髪に潜り、囁く声が耳元を掠める
「考えておりますよ……あなたのような方を どうすれば喜んで頂けるかと」
それはつまり……どれだけ自分をいなせるか、と言葉の深意を理解する。これは宣戦布告に等しい。
「面白えな ……じゃあ手合わせと行くか」


瞳を合わせたまま元親の手が袷をくぐる。
「もっと冷てえモンだと思ってた……」
「私にも血は流れております。長曽我部様の御手は温かい…」
「名で呼べや。後で…もっと火がついちまったら舌かむぜ」
そんな軽口には、こそりと笑った。
才蔵の笑みは元親の欲を煽る。
「……綺麗だな本当に…まるで造り物だ……」
「お調べ下さい 御自身で……元親様」
肌を滑らせた手できつく抱けば才蔵の腕が首に絡みついた。
すでに帯は弛んで、そこかしこ露になっている肌の無数の傷跡が目に入る。
「お見せしては興が醒めますかと……申し訳ございません」
「いいや…全部見せろ」
興奮に掠れた声に、手を伸ばし確かめる。そうせずとも脚に当たる物はすでに随分と硬く凝っていた。
「……っ」
指先を立てて擦るように隆起した部分に触れられて、元親は息を詰めた。
「鎮めてさしあげます」
腕をすり抜けて、才蔵はうずくまる。
着物を割り下帯に手を差し入れて昂った物を探り出すと つと唇を滑らせ、逡巡もなくそれを舐っていく。
「……慣れたもんだ、な…」
見上げてくる瞳は光を湛え、未だ静かに凪いでいる。
この静けさを元親は崩したいと思う、どうしても。
「もういい…来いよ」
「しばし…どうかこのまま……」
請われても許さず、才蔵の身体を引き上げると 再び唇を契った。

やはりこれは毒だと思う。
侵されても、更に欲しがる己を元親は嘲う。
この造り物のような男が自分と同じに 生身であることを感じてみたい……
才蔵の口付けは巧みで 押せば逃げ 追えば絡め 知らずうちに夢中になっていく。
きつく抱けばしなる身体は隙間ないほどにすり寄り、それはまるで……

猫みたいだ……

子供の頃、飼っていた猫を元親は思い出した。
自分は好かれていなかったのだろう、どんなに優しく抱こうとしても腕をすり抜け逃げていった……

「元親様」
静かな瞳。息は少しもあがってはいない。
「お前……夢中になることはねえのか?」
執着しているのは自分だけと知らされるようで腹も立つ。
抱いている腰を掬い押し倒そうとしたが、焦燥と、予想以上の軽さに目測を誤り、才蔵の頭を床に打ち付けるほどの勢いがついてしまった。
咄嗟に手を差し入れてその頭を庇う。
「…ッてェー」
したたか手の甲を床に擦り付けたらしい。元親は呻き声を上げた。
「長曽我部様、お怪我は」
「悪ィ、勢いつけすぎた…」
「御手は……? 私でしたら大丈夫でしたのに」
「っか~…アンタ手練れだもんな…要らねえことしちまったか」
「いえ……ですが私のせいで長曽我部様に怪我をさせてしまったなどと、申し訳も立ちませぬ」
「元親」
「は?」
「名で呼べっつったろ」
手をさすりさながら にやりと笑ってみせる。
「……はい」


ああ、この人は……
長曽我部元親という人物が、信玄公や幸村様 そして殿と同じなのだと、その時才蔵は知った。
その人が望むと言うのなら、この身を差し出すことにいまさら何の躊躇いがあろうか……

元親の顔が近付く。
その瞳に挑みかかるような猛々しさは もうなかった。
「気が抜けた……ま、夜は長えや。なあ、いっぺんくらい大人しく俺に喰われてみろよ……」
「……はい」






元親の手が髪を、頬を、首筋をたどってゆく。
才蔵は薄く笑う。
「……まるで検分を受けているような心持ちです」
その声に答えはなく、温かい手が背に回されて問いかけるように唇が触れてきた。
疎んでいた行為が、これほど心地好いものだと才蔵は知らなかった。
いや、知っているだけにその快美に溺れようとは思わなかった。
忍にとって、それは死に繋がる危険性を伴う。
性技は文字通りの技でしかなく、容貌の目立つ才蔵はそれに長けるしか道がなかったのだ。
「どうした?」
「……いいえ…」
「……静かになっちまったな」

壁越しの酒盛りの声、甲板の怒声。
それに混ざって聞こえてくる
「……波の音が……」
「あ? ああ……しばらく聞くことになるぜ」
微かな水音は才蔵にとっては異世界の物で、気が付けば耳がそれを追っている。
元親は笑う。
「……そろそろこっちに気を回してもらいてぇもんだがなぁ…」
はっと意識を戻して、才蔵は詫びた。
「……いいさ。こんだけ長く船に乗ってても、波の音は俺も好きだ」
海の、船の話をする元親の顔は穏やかだ。



横たわる身体をしっかりと腕に抱く。
全ての無駄を削ぎ落とした身体には柔らかさなど微塵もなく、それでもさらさらと温度の低い肌は、熱の籠る自分には随分と心地好い。
指を滑らせて髪の手触りを楽しみながら訊いてみた。
「今度は……何を考えてる?」
思いもかけず、神妙な声が返ってきた。
「何も……考えないようにすることに困惑しております」
「何だそりゃ」
「考えれば、どうすれば早く満足して頂けるかを…算段してしまいます」
くい と眉を上げ、冗談めかして元親は言った。
「忍ってェのも難儀な商売だなぁ」
「そうですね、本当に……」
笑ってみせようとする才蔵の戸惑う表情に、僅かな憐憫を感じる。
自分が言うのも笑止だろうが、忍というやつは愛し合うとか慈しみ合うとか、そういった感情を切り捨てて生きねばならないのだろう。
今まで好きになったやつは いなかったんだろうか……

首筋を食み 胸へと落としていく。ぷつりと膨れ上がった尖りを指で、舌で掠める度に、小さな震えが走る。
割らせた脚の間に身体を移して鳩尾をたどり、脇腹に噛みつけば、それを払おうと反射的に伸びてきた手が、思い留まり握り絞められた。
「いいねえ……許されてるって気分だ」
「私は…試されているようで…す」
元親は声をあげて笑い、既に硬さを持ち始めた陽根を手に納めるとゆるゆると擦り、鼻先で叢の感触を楽しんでいる。
「元親様……」
「ん?」
制止を求めてはこないがこの手の戯れには馴染まないのか、心許ないように脚が床を擦った。
その膝裏を掬い、折ろうとすれば 素直に従う柔軟な身体。
腿裏に舌を這わせ、あらわにした部分をくまなくたどってはまた戻す。
「元親様……もう…」
「嫌だね、味見だ。軟らかくしなきゃ入らねぇし」
「…そのような……」
「痛い思いはさせねえから。任せな」
いざ手に納めてみれば、予想以上に小さい尻は、元親の手が余る程だ。
その周辺に残っている無数の傷跡は、それが何故付いたものか想像も容易い。おそらく忍働きだけのものではないのだろう…元親は無言でそれらにも口付けた。
先端から溢れ始めたものの滑りを借りては、ひくりと蠢く孔に指を埋めて行く。
「……随分とキツイな……ご無沙汰か?」
「真田に…参りましてから、は……」

身体が大きく震える箇所はとうに把握した。
隘路は馴染み始め、熟れた壁が埋め込んだ指をきつく締め付けてくる。
才蔵は声を上げない。
それだけに詰める息、微かな吐息を聞き逃すまいと感覚を澄まして内を探っていく。
蒼白い肌の奥から浮かび上がった紅が元親を煽り、その先へ早く、と気持ちを逸らせる。
「才蔵……」
膝に抱えあげると、指を咥え込ませたままのそこがぐちゅりと猥雑な音を漏らす。刹那の刺激をやり過ごす術がなく、才蔵は拳で口を覆った。
「なあ…声出せよ」
囁いても尚、元親の肩口に顔を押し付け堪えている。
善がる声が聞きたくて攻めるほどに擦り上げてやればびくびくと震えが走る。仰け反った顔の苦悶と愉悦の混じりあった表情に、元親は一気に血が集中するのを感じ、噛みつくように唇を貪った。
「…っ…うぅ……」
口内を思うさまに蹂躙すれば、快感に溺れた身体はそれに応えて腰を揺らす。解放を求めて伸ばされた手を元親は遮った。
「ぁ…ぁ、も…」
「良さそう だな」
「も… かさ ま…っ」
元親の下腹も既に痛いほど昂っている。

身体を横たえ髪を撫でつけてやれば、離れていった熱に正気づいたのか、その動きを目が静かに追ってくる。
「…入れるぜ」
紅く熟れた部分に猛りをあてがいゆっくりと腰を進めると、反射的に身体が強張る。
息を吐き力を抜こうとするが、入ってきた熱さに呼吸は震え、力強く伝わってくる脈が才蔵に元親をまざまざと感じさせていた。
「……ぁ… っ…」
「こりゃあ…そそるな」
「……元親様…」
ざわ と波立つ気持ちが、無意識に内を引き絞る。
「おっと…待て待て……」
二度三度、腰を揺らして納まり具合を確かめても才蔵のモノが力を失わないのを見て元親は満足そうに息をついた。
「…いい具合じゃねえか」
「元親 さま…」
「辛くねえか?」
その言葉が己を気遣ってのものだと理解するのにずいぶんとかかった。
答えをくれるように手が頬に触れる。
「お前にも気持ち良くなってもらわねぇとな…… 情を交わすってのはそういうもんだろうよ…」

目の前の身体を抱きたかった。算段などしようもなく心の求めるままに腕を伸ばしていた。
「…っ!おいっ!」
才蔵に引かれ、勢い前にのめり瞳が出逢うと元親はにやりと笑って、才蔵を懐深くしっかりと抱きしめる。
肌の熱さの所為だろうか……胸が痛い。
「すげぇな……ぎゅんぎゅんに絞めてくる」
元親の声に、首元に押し付けられた額が小さく肯いた。


既に苦痛だけではない感覚が才蔵を支配していることは簡単に見て取れた。
初めは様子を伺いながらだったが、すぐに元親も欲するままに動きを大きくする。
絡みつく脚に時折ねだるように背を引き寄せられる。応じて押し付ける程深く入り込めば、胴震いがびりびりと走り抜け、そのまま果ててしまいそうな快感に元親は奥歯を噛み締めて耐えた。
身の内の灼熱を引き絞り、弛め、才蔵は動きを合わせていく。この身を穿つ身体を喜ばせたいと、今はそれだけが望みだった。
「…か、さま…っ!ぁ っ!…も、う」
「いいぜ、イけよ…っ!」
才蔵のモノを掴み先端を抉るように刺激してやれば、ヒュウと喉が鳴り、大きな震えと共に白い飛沫を吐き出す。自身を包む壁の引き絞りに負けて、元親もついに自身を解放していた。






散乱した気が帰結せず指の先すら動かせない。
ほんの僅かな時間だったのかもしれないが、それでも身体を叱咤し起き上がろうとすると、自分を抱く腕がそれを遮った。
「もうちょい…… いいから…大人しく抱かれてろ」
その言葉に従って良いものか、それとも…… 思考までが常の働きを止めたがっている。
元親はまるで赤子をあやすように柔く背を叩く。
「…よしよし……海の上の船の中だ…ここでは俺が守ってやっから…大丈夫だ…安心して寝ちまいな……」
暖かい腕の中、規則正しく打つ鼓動を数える間もなく引き込まれるように才蔵は眠りに落ちていった。


す と目が開く。
ずいぶんと深く眠った気がする。
それでもさほど長い時間ではなかったのか、元親は自分を抱いたまま、まだ眠っていた。
そっと伺う顔は穏やかだ。
守ってやると言ったくせに……
思い出して苦笑したが、それでもさっきの言葉は本当なのだと思う。

姿形も、声や物腰ですら、似ているところなど少しもありはしないのに
元親を見ていると思い出してしまうのは何故なのだろう。
己に忍としての矜持を与えてくれた人。
昌幸様。
……殿……


「…起きちまったのか……」
掠れた声が落ちてきた。
「…お起こしてしまいましたか」
「い~や……あー…寝たー」
くわーっと大きく欠伸をしてから、才蔵の顔を覗き込む。
「お前は?寝たか?」
「……はい」
「んー ……じゃあちょっと待ってな」
のそりと起き上がり、部屋を後にして戻ったその手には桶と手拭いがあった。
「水は貴重だからよ、行水させてやるわけにゃあいかねえが……使いな」
言い置いてまた元親は出て行ってしまう。
「……ありがとうございます」
とうに聞こえるはずもない。それでも礼の言葉を、才蔵は口に出していた。




日も高くなってから連れられて才蔵は甲板に出た。
船の動かし方は複雑で興味深く、元親に尋ねれば存外と丁寧に、色々な話を聞かせてくれた。
それなのに良い機会と潜りの教授を望んでも、何故かこちらは頑なに拒まれる。
「駄ー目ーだー!」
「浮いてしまいやすい海でのコツを体得したいだけなのです。潜りの経験はございます」
「却下だ、却下」
「……何故にございますか?」
「……」
「元親様?」
「…だから」
にらんでくる割には言葉を濁す。
「元親様」
「だから!」
「はい」
「……脱ぐだろ?」
元親はぷいと顔をそむけ、言い捨てる。
「気安く見せられっかよ!」
「…は? 」
「は?じゃねえ!」
それはつまり……
才蔵は笑った。
「何だよ!!」
無性に可笑しくて声を上げて笑った。
「…可笑しくねえっての!」
意地になって言い張りながらも、眩しいものでも見るように元親は才蔵を見ている。
「…はい。それでは諦めることに致します…… でもせめて…あれに登ることをお許し下さい」
「……登りてえのか?」
「はい」
才蔵は船のほぼ中心にそびえ立つ主柱を指差した。
「わかった。滑らねえよう、あと風に気をつけな」
「はい、ありがとうございます」


一度許されてからは 才蔵はよく帆柱に登った。
その登りの素早さはさすが忍と思わずにはいられない。
以前、幸村がこの船に乗った時には 走っては転び 登っては落ち 飛び込んでは溺れてくれたおかげで、元親だけでなく周りの者達は心配で目が離せなかったものだ。
瞬く間にてっぺんに立ち、風にあおられながら大海原をみつめている。
長い長い時間、ただ飽きもせずに……

日が傾く頃に元親は迎えに登る。少し下まで行って声をかけた。
「そろそろ下りろよ。今に日に焼けて真っ赤になるぜ」
「…はい」
「何にも見えねえのになぁ……そんなにこの眺めが気に入ったか?」
「はい …まこと海は広いのですね……」
「……そうだな。こんだけ船に乗ってても、まだまだ見たこともない場所がわんさとある。そう思うと広いよなぁ……」
波も静かで穏やかな日が続く。
夜にはそうすることが当たり前のように肌を合わせた。



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